まあ、すでに売却済みで全ての権利が買った側に移っている物件の話ですが。
だいたい予想できていたことですが、私が売却した価格+リフォームに要するであろう金額にしても、不動産の広告で、ネットで提示されている価格はずいぶん法外な価格がついているように思います。
旧宅を手に入れたのが2009年1月で、築浅の2006年11月の物件でした。東京都内の地価もおそらくバブル景気以降に地価がさがり2008年で少し上昇傾向であったもののリーマンショックで冷水が浴びせられて、借地権つきの物件であることを考えても割安に感じました。住宅としては、戸建てであるものの、設備とかは、むしろその前に住んでいた少し手狭なマンションが、その当時の先進的な設備を入れていたので、むしろ後退した前時代的な印象を受けるような建物でした。
その物件を買ってくれた不動産屋がやっていることは、(おそらく)徹底的に外見(と言っても塗装でできる範囲ですが)をモダンなものにして、時代を感じさせる部分、特にキッチンを今の流行りの対面キッチン・カウンター付きなどに仕立てるのでしょう。水回りも含めて、設備は10年も使えば相当に汚れるし、10年の間で流行も変わるし、新たな設備が使えるようになる。
買って頂く方には大変申し訳がないのですが、旧宅は10年以上前の東京都内の標準的な木造軸組み(従来工法)の建物です。木造軸組みが悪いわけではなくて、その当時の建売住宅の最低限の性能しかないので、断熱とか、防音とか、耐震とかは当然、建築基準は満たしているけれでも、今日的に同じような予算で建てるには最低限の性能しか満たしていないし、通常の建売住宅は、そんなものだということを学びました。
ただし、旧宅に入られる方にとっては、ロケーションは最高です。文京区のなかでもかなり騒然とした場所(大きな通りに面していると結構交通量が多いので)に位置しながら大通りから少し離れるだけで、相当に静か。地下鉄4路線が徒歩圏内で、JRの駅も3つが無理なく歩いて行ける。不動産のホームページの物件紹介でもその点が強調されていました。
そしてびっくりしたのが、おそらく我々が退去した直後に取られたとおぼしき写真が、結構床とがピカピカで、綺麗な物件だなあと思わせるものだったことです。もちろん、売りに出すものの写真は美しく見えるようなものを選択するはずですが、内情を知っていると、逆に感心するくらい美麗な物件に見えました。
(2年弱で私に売ってくれた前のオーナーがフロアコーティングをしてくれたおかげで確かに床はピカピカに見えます。)
このように書いてきて、決してこの物件を買うな、とは言いません。あくまで買い物とは自分が払っても良い・満足できる対価を払う行為、であるので、この物件を気に入ってくれて、総合的に判断して(ロケーション、住宅の性能など)これでよい、かつ住んで満足してくれれば何でも良いのです。立地とか、景観とか、近隣の環境とか、住宅の性能とか、誰にとっても満点の建物など存在しないので、自分たちが何を重視して、払える・払ってもよい予算でまかなえるものならば、買って・住んで満足するのが一番だと考えます。ネットとか雑誌で見る記事は扇情的すぎて、「買って得する」「買うと損する」「こんな住宅は買うな」「こんな街には住むな」「この物件が伸びる」など、ほとんどが読むに値しない本文に誘導するためだけのリード・見出しがほとんどなので、読むには値しないし、たとえ自分が住み始めたあとでそのような記事を読んで動揺する必要もないと思います。
私は旧宅を手に入れて、住んで、多くのことを学びました。その点では感謝しか感じないし、リフォームされたこの家に住まわれる方々が幸せになることを祈るばかりです。
2018年9月13日木曜日
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